それぞれの提案

先週の終わりに「今から梅雨に入ったり夏は暑くて外に行けなかったりして室内で過ごす日が多くなると思うんだけど、何かしたいことはない?」と聞いてみました。

 

すると早速上級生を中心に様々な意見が出ました。

「ナノブロック(小さいブロック)で姫路城作りたい」

「新しいカードゲームがほしい」

「去年したスライムとかプラバンが楽しかった」などなど。

中には「風船バレーボールがやりたい!」という意見もあり、職員が「アフタースクールの中では狭すぎるね」というと「じゃあ(隣接している同法人の)保育園のリズム室でならいいでしょ?」と解決策を提案してくれました。(確かに保育園のリズム室はある程度動き回れる広さなのです)

 

今までとは違う遊びや刺激を求めつつ、今までの経験から得た遊びの提案、そして困難な場面に直面した時に『どうしたらできるのか(楽しむか)』を考えて解決策を提案してくれました。『できない』『やれない』『難しい』と言って遊びや活動を制限してしまうことは簡単ですが、こういったやり取りや提案を通して試行錯誤を重ね、直面した“壁”を乗り越える力をどんどん発揮してもらいたいと思います。

 

さて、今週初めは雨の日だったこともあり、早速室内での活動がメインになりました。

何かしたいことはないか聞いてみると、1年生から「新聞紙を使って遊びたい」との提案。自由時間に新聞紙を出し、自由に使ってもらいました。

友達と一緒に破いてかけ合いをする子、器用に丸めて剣を作ってポーズをとる子、布団のようにかけて寝る真似をする子など、遊び方は様々でした。そうしていると、別な場所で折り紙をしていた子の紙飛行機がはるか頭上の梁の上に引っかかってしまう事態が発生…!!

 

それを見て、新聞紙チームにいたA君が「新聞紙で作った棒を投げて落とす」と提案。しかし、飛んで行った棒が誰かに当たるといけないので「ありがとう。でもそれじゃ危ないから別な方法を考えてみて」とお願いをすると、少し考えてから「それ貸して」と周りにいた友達の新聞紙棒を借りていました。

「どうするの?」と聞くと「この棒を繋げて届かせる!」とドヤ顔のA君。なるほど、A君は長い棒を作り、それをひっかけて落とそうと考えたようでした。ナイス、アイディーア☆

その後、悪戦苦闘しながらも無事に紙飛行機を落としたA君。その顔はさらに満足げなドヤ顔でしたよ。

 

 

週の後半は雨も上がり、割と過ごしやすい日もあったので、ほとんどの子が保育園の園庭でのびのびと遊びました。

その中でも数人の女の子達が室内に残ったので、炭酸飲料の入っていたペットボトルを持ってきて「これに色を塗ってくれない」と言って渡してみました。

絵を描くことが好きな子達だったので、すぐに「やるやる!」と嬉しそうにスタート。

途中、1年生の子も加わり、3人で黙々と塗り進めます。途中で園庭から帰ってきた子達も加わり、ペットボトルの色塗りは完成。

そこで職員がおもむろにハサミでジョキジョキ…。「えーなんで切っちゃうの??」と不思議そうでしたが、「まあまあ見ててごらん」と一言。もはやミステリーツアーに参加しているかのような怪訝な表情の子ども達。切り終えたものをトースターに入れる時点で「あ、ちっさいプラバンでしょ?」と予想する子もいました。いいえ、違います(笑)

 

徐々にくるくると丸まってくるペットボトルの破片を見て「あー!丸まってる!」「なんでなんで?」とはしゃぎだす子達を見て、他の子も「何してるのー??」と寄ってきました。

少し集まりすぎていたので「近づくと危ないから離れて」と言いますが、下級生の子は興味の方が勝り、徐々に前のめりになってきます。

できたものをトースターから出すと、もう触りたくてたまらない下級生の子達。声をかけようとすると、最初から参加していた5年生のCさんが「これは熱いからまだ触ったらだめだよ、分かった?」と教えてくれました。それを聞き、下級生達もすっと手を引いて待ちます。

声掛けや指示をすべて大人がするのではなく、聞いていた内容やその時々の状況を考えて自分から発言してくれたCさん。今回のような『状況を見て考える(発言する)』『相手の話を聞いて行動に移す』『お互いに助け合う』といった姿は、これから広がっていく社会では様々な場面で必要になる能力ではないでしょうか?

 

今年のアフタースクールの目標の一つとして『上級生と下級生での助け合い』も掲げています。

下級生が困った時には上級生に解決策を聞いていく、また、上級生も下級生が理解するためにはどんな話し方や方法が必要なのかを考えるといった経験をたくさん積み、協力・共同の場面をたくさん作っていけたらなと思っています。

ちなみに今回作ったペットボトルのビーズは後日また使う予定なので、近いうちにご報告しますね。

 

アフタースクール錦ヶ丘 今屋

話し合いを通して

今年度からアフタースクールの方にも関わらせて頂くことになりました。卒園していった子ども達の姿をこれから見守っていくことができることがとても嬉しく思います。

 

そして、幼児教育、学校教育も変化していく中、子ども達の育ちにどのような変化をもたらしていくのか、また学童保育という位置付けにおいて、大人がどのように関わりサポートしていけば、子ども主体での活動を楽しんでいけるのかをこれからアフタースクール職員で連携を取り、一つの方向性にしっかり持ち、子ども達と向きあっていきたいと思います。子ども達が楽しいと思える場所になるために、子どもの意見も取り入れ色々な企画も立てながら、経験を通して子ども達が更に成長していく過程を大切にしていきたいと思います。

 

さて、新一年生もメンバーに加わり1か月半が経とうとしています。慣れない学校で、緊張しながらアフタースクールに帰ってくる頃は、みんな少し疲れている様子がうかがえます。

D君が帰ってきて、着替えを済ませてボーッとしていたのです。私がそっと側にいき「どうしたの❓」と聞くと

「疲れちゃった」

という答えが返ってきました。学校で精一杯頑張ってきているのだとその言葉を聞いて感じとることが出来ました。それは、D君に限らず一年生全員に見える傾向です。そのためか、些細なことで友達とケンカになったり、泣いたりということがありました。職員も見守りながら、子どものトラブルにも仲介に入り解決に導いています。

しかし、大人の見えていないところで友達が傷つく言葉を言うこともあり、職員がお話ししても同じことが起こるので、この問題は高学年も含めて話し合いの議題にしてみようと職員で話しをして、学校から帰ってくる子ども達に

「今日、みんなに考えてもらいたい問題があるのだけど、時間をもらっていいかな❓」と伝えると一年生から五年生まで快く承諾してもらえました。

 

子ども達のおやつやゆっくりする時間、宿題をする時間が大体終わってから、話し合いを始めました。

 

「今日は、時間を作ってくれてありがとう。みんなの考えを聞きたいのは、友達との関わり方なのです。高学年の友達は、友達とケンカせずに仲良く遊べているよね。でも、みんなも一・二年生の時、どうだった❓今、一年生が上手く伝えられずケンカになったりしていて、大人が入ってお話しするけど同じことが起こるんだよね。

みんなが低学年の時はどうだった❓嫌だったこととかあった❓」

 

四年生の男児が顔を見合わせて、S君が手を挙げてくれました。

職員  「S君、どうぞ。」

S君  「僕は、二年生の時にT君に傷つくことを言われて それがすごく嫌でした。」

 

S君は、現在はT君や他の友達を含めてよく一緒に仲良く遊んでいます。それを聞いて一番驚いていたのはT君でした。どんなことで傷ついたのかは、現在の2人の関係性は良いので敢えて聞きませんでした。しかし、T君が面食らった表情していたので、

職員   「T君、びっくりしたね‼️覚えているかな❓」

T君   「覚えていない….。」

と小さな声で返事してくれました。

職員   「T君、びっくりしたね。T君は覚えていなかったんだよね。でもね、S君はその時すごく傷ついたんだね。二年

生時のことだけど、言われた人は覚えているんだよね。言葉って、人を喜ばせることもできたり、自分を表現

したりすることができるけど、時には人を知らないうちに傷つけたりすることもあるんだね。だから、友達に

話しをする時は考えてお話しして欲しいなと思います。」

 

その話しを聞いていたケンカした覚えのある一年生は、ジーっと真剣な眼差しでお兄さんが言ったことを聞いていました。その一年生がどのように感じたかは、私もわかりませんが実際、身近にいるお兄さんの言葉、そして私の言葉が一年生の心に届いたと信じ、この日の話し合いを終わりました。

 

少しずつそのように、アフタースクールが学年の垣根を越えて 子ども達が助け合いながら生活できる場となりますように。

さくらんぼ狩からデザート作りへ

保育園のさくらんぼが色付き、子ども達から「さくらんぼ取りたい!」と要望。始めは木のそばの柵に乗って必死で上の方の赤く熟したさくらんぼを取ろうと頑張っていましたが、「先生、無理だ!取れない。でもあと少しで取れそうなんだけど…」と訴えてきました。「そっか〜下の方は、もう取ってるもんね。あ、ハシゴがあるよ」と伝えると、「それいい。脚立のことでしょ?」と一言。ついつい、保育園の子ども達に伝えるように簡単な言葉を使ってしまいました。脚立を準備し、安全面に気をつけながらさくらんぼ狩り再開。3年生1名、1年生2名だったのですが脚立に誰が乗る乗らないで言い合いに。順番決めて乗ることになったのですが、それでも揉めて…。すると3年生が「あのさ、ルールがあるんだから守らなきゃ!」と一括。言われた1年生もその後は、順番守ってさくらんぼ狩を楽しめていました。

しばらくすると、園児達が集まり「さくらんぼちょうだい」コール。その声に「どのさくらんぼがいい?」「赤いのをあげるね」「洗ってから食べてね」と、気前よく配っていました。園児からの「ありがとう」が嬉しかったんでしょう。「保育園のみんなが食べれるように、いっぱい取ろう!」と思いやり溢れる言葉が自然と子ども達からでていました。小学生と園児との異年齢の交流がさくらんぼで少し深まった瞬間でした。

 

さくらんぼ狩をしながら子ども達から「これで何か作りたいな〜。デザートとか…」の意見が。収穫が終わって早速、iPadで検索。ミカンの缶詰を使ったゼリーに決定。さくらんぼは飾りに使うことに。必要な材料をタイヨーへ調達し、いざクッキング。私は必要な用具を準備しただけで、後は3年生が仕切ってジャンケンで作業の順番を決めながらクッキングを進めてくれました。ゼラチンや水の量なども計りを使って確認。それそぞれ、容器に注いで冷蔵庫へ。1年生は冷蔵庫に入れたらすぐに固まるものだと思っているようで5分もしないうちに「固まったか見てもいい?」と何度も冷蔵庫を開けていました。しかし、3年生は冷やし固めるにはある程度の時間が必要!ということを理解しており30分以上経ってから確認していました。経験の差ですね。

ゼリー状になっているのが確認出来ると、「先生!ゼリーになってる!!」と目をキラキラさせて教えてくれる1年生。「ゼラチンの量、丁度よかったんだね。固まるまでには時間が必要なんだね」とゼリー作りの学びを確認すると、「そうだね」と1年生も納得の表情でした。

 

ゼリーは3時のおやつで食べました。好きなだけさくらんぼをトッピング。保育園裏門の畑のイチゴも1個ずつ飾り華やかなゼリーの完成。「ゼリーの固さ丁度いい」「美味しくできたね」と感想も満足感と達成感で溢れていました。

これからも、子ども達からの意見やアイディアをもとに様々な活動を取り入れ楽しめるように支援していきたいと思います。そして、その中で子ども同士の意見のやりとり、教え合い、そして異年齢の関係性を深めていきたいと思います。