土曜日のアフタースクール

土曜日のアフタースクールは出席人数も10人前後。普段よりゆったりと静かです。最近の土曜日は、子ども達が揃ったら1日をどのような流れで過ごすかを、子ども達で話し合って決めてもらっています。学習の時間(45分)と清掃の時間は入れてほしいことを伝え、あとは子ども達で。この様な話し合いの場を設けると、自然と年長者が意見を切り出し、ファシリテーターとなってくれます。

この日は3年生のA君が年長者で、しばらく意見が出ず沈黙が続いていましたが「じゃあ、学習の時間は午前と午後どちらがいいか多数決する?」と切り出してくれました。そこから、少しずつ意見が。1年生から「園庭で遊びたい」するとA君が「何時間遊ぶ?」すると黙っていた他の子も「1時間?」「30 分?」とボソボソと声を出し。またその意見を拾ってA君が多数決などで話し合いを進めてくれました。

この日の午前中の予定

○1時間保育園の園庭で子ども達(保育園児)と遊ぶ

○アフタースクール室内で自由に遊ぶ

○12時〜昼食

に、決まりました。

園庭では早速、園児と一緒にサッカーや三輪車を楽しむ子ども達の姿がありました。

1日を有意義に過ごしてほしい。時間の流れを考え、見通しをもって1日が過ごせるように。そして、子どもが主体となってアフタースクールの時間が過ごせるように。主に土曜日はこの様な話し合いを設けています。

これからも、子ども達がやりたい事、やってみたい事を主体的に取り組み楽しめるよう、子ども同士の話し合いを充実させていきたいと思います。

(文責:中江)

ペットボトルビーズ

梅雨に入り、子ども達は室内で過ごすことが多くなっています。

身体を動かすことが好きな子達にとっては、有り余るエネルギーを消費できない日々が続いています。

 

今回はそんな室内での活動を充実させる一つとして、以前行った「ペットボトルビーズ制作」の中で見えた姿をお伝えします。

以前のブログはこちら→『それぞれの提案』

 

まずは制作に使うビーズを増やすためにあらかじめ準備していたペットボトル板に色を塗ってもらい、トースターで温めていきます。

この時は1年生の参加が多かったのですが、前回トースターを使う時の約束を、職員、そして上級生からも聞いていたので

「これ(トースター)って熱いんだよ」

「手を出したら危ないよ!」

と自分達の中で声を掛け合う姿が見られました。

 

丸まったのはコチラ

 

さあ、できたビーズを見ながらどうやって使うかを話し合います。

日々の活動の中で、大人がある程度の準備はしても発展させるのは子ども達自身の力を発揮してほしいと思っているので、あえて職員からアイディアを出すことはしません。

「○○してみたい」という提案から自分達で準備を進めてもらい、大人の見守りの中で上手くいかないことや意見のぶつかり合いなども経験しながらお互いの意見や考えを知る、気づくことに繋がっていけるようにしていきたいと思っています。

 

子ども達からは

「おはじきの代わりに使いたい」

「ねじり曲がったビーズ同士をくっつけて繋げていく」

などの意見が出る中、制作大好きな3年生のA君が突然「先生、紐ください!」と言いました。

…何か閃いたようです。

 

棚から紙紐を取ってくると、すぐさまビーズを通し始め、あっという間に綺麗な輪っかを作ってくれました。

それを見た周囲の子達も「やりたい!」と言い、作り始めますが、この日は時間が足りずここでストップ。

 

後日、A君の閃きを参考にビーズを通せる紐やゴム、そして髪留めのヘアピンを少しプラスして制作を行いました。

すると「なになに、どうするの??」「作りたい!」と集まってくる子ども達。

女の子の参加が多かったのですが、ちらほら男の子の姿もあり、それぞれゴム紐にビーズを通し始めました。

職員が作ったものをどうするのか聞いてみると

「妹に作ってあげるんだ」という2年生のB君。

兄妹ならではの思いやりを感じました…✨

 

すると今度は、5年生のCさんがその日が誕生日だった1年生のDさんの側にやってきて

「今日誕生日だよね、プレゼントするよ」

と声を掛けてくれました。

 

その言葉を受けて、Dさんは一瞬驚いた顔をしていましたが、すぐに嬉しそうにニッコリ笑い、一緒に作り始めていました。

それを見た周りの女の子も

「この色がいいんじゃない?」

「こうしたらかわいいかも」

とアドバイスをしてくれ、最後には素敵な髪飾りができました。

よく見るとCさんとDさんは同じ色のビーズを使いながら作っており、最後にはお互いに交換して持ち帰っていましたよ。

 

Cさんの思いやりの気持ちに感心しつつ、今回の経験がDさんの中で『相手のことを考える、思いやる』気持ちに繋がっていくのではと感じた出来事でした。

 

 

子ども達の意見を聞きながら協力して進めていった今回の制作。

今後も準備や計画を進めながら出てきた意見や発言を発展させ、取り組んでいく経験を大事にしていくことで、次に何かする時にも

「○○がしたい」

「○○するためにはどうしたらいいだろう」

と考えを巡らせながら参加してもらえるような展開にしていくつもりです。

 

もうすぐやってくる夏休みでは、たくさんアイディアを募り、子ども達が提案したことを実現していく為に一緒に計画をしていき、いろいろな経験を積んでいってもらいたいと思っています。

 

 

アフタースクール錦ヶ丘 今屋

野菜を育てよう!①

 今回は、アフタースクールで野菜の苗を植える計画が挙がった経緯と今後、この活動の過程を随時お伝えしていきたいと思います。

 5月の中旬頃に保育園の園庭で遊んでいる際に、花壇の野菜の苗をジーッと見ているTちゃん(一年生)。

保育士 「どうしたの?」

Tちゃん 「これは、トマト、ナスだよね!」

と花壇の野菜の苗を指差しながら教えてくれました。その時の表情は、Tちゃんが自分の経験から学んだ知識を誰かに伝える瞬間だったのでしょう。

自信に満ち溢れていました。

保育士 「良く知っているね!」

Tちゃん「だって、育てたことあるもん!」

保育士 「そうなの?アフタースクールでも育ててみる⁉️

の一言に

Tちゃん 「育てたい!育てたい!何を育てる?」

目をキラキラさせて、保育士に言ってきました。

その会話を聞いていた他の一年生も興味津々。

そこから、野菜作り計画が始動です。

「どこに植える?」

「鉢に植える?」「トマト、植えたいな〜。」

子ども同士会話が弾みます。でもこのままでは、話しが前に進まないので、保育士が提案。

「保育園の畑で長く使ってないところがあるよ。」

と伝えると、早速畑を見に行き

子ども達の第一声は・・・。

「わあ!草がいっぱい!草取りしなきゃ💦

しかし、その日は子ども達のお迎えの時間や習い事の時間などがあったので、次回、草取りをしよう❗️ということになりアフタースクールに帰りました。子ども達も事情があり、一気にこの活動が終えるのは厳しく、長いスパンで子ども達が中心となってする野菜作りを行なっていこうと思います。

そこから、一週間後に私がアフタースクールに入る日があったので、子どもが学校から帰ってきて、おやつを食べ、宿題が終わるのを待ち、いざ 畑へ‼️

「草、すごいね!頑張らなきゃ!」

その日は、とても暑い日でしたが、一年生のやる気は暑さに打ち勝ったようです。

友達との会話も弾み、土に触れながら草を抜く中でてんとう虫発見。優しくテントウムシを手に取り、観察をしていました。草取りも楽しい活動になっていると感じさせる光景でした。

きっと、みんなで同じ目的を持っているからこそ、草取りも楽しくできたのでしょう。

これも、保育園、幼稚園で遊びを通して身についた学びです。

洋服をたくさん汚して、野菜を育てて、収穫して調理し食べる❗️

こういう実体験がいかに大切かということが、集中して取り組む子どもの姿を見て感じます。

畑の草も取り終わり、何を育てるかを話し合いが始まりました。

「夏野菜って何がある?」

「トマト、ナス❗️う〜ん、あと何がある❓」

「ピーマンもあるよ!」

「ええ〜❗️ぼく、苦手だな。」「美味しいよ。」

「じゃ、ピーマンでもいい。」

図鑑を広げながら、他人の意見や自分の意見を伝え合いながら、話し合っていましたが今までの経験の知識も出し、どうにか決まったようでした。

4種類の野菜が上がり、子ども達も意欲満々です。

この野菜を育てよう!①の活動のねらいとして

◉野菜を作るためにしないといけないことを知る。(草取り、肥料など)

◉夏野菜はどんなものがあるか調べ、興味を持つ。

 

という二点を掲げ、その中で下記の子どもの姿が見られました。

協同性・・・友達と協力しながら一つのこと【畑の草を取り、きれいにする。】を達成する。
道徳性・・・友達の気持ちに共感したり自分の気持ちに折り合いをつける【野菜選びの話し合い】
自然との関わり、生命尊重・・・草取りしながら、土に存分に触れる。また、小さなテントウムシをそっと手に乗せ観察。
言葉による伝え合い・・・相手の話しを聞きながら、自分の気持ちも相手に伝わるように工夫しながら言葉で伝える。【野菜選びの話し合い】

 

今回の活動からこのような資質と能力が育っているのに気づかされます。小学生になっても、そういう資質と能力を伸ばす手助けをしていきたいと思います。          文責:古市

お家にいるような・・・

キッチンでおやつや18時以降の軽食の準備をしていると、

「先生、何してるの?」

「今日のご飯は何?」

子ども達がキッチンを覗きに来ます。特に1・2年生が来ることが多いです。

 

少し前のこと。軽食でサンドイッチを作った時にパンのみみを切り落とし、もったいないからバターとシュガーで炒めました。すると甘〜い匂いが室内に充満。すぐに1年生が匂いに気づき

「なんかいい匂いがする」

「何作ってるの?」

と、2、3人がキッチンに集まってきました。パンのみみを炒めながら1年生との会話を楽しんでいると、他の学年の子ども達も気づき

「何してるの?何か食べてるの?」

加わってきます。

炒めたパンのみみは、5分もせずにみんなで完食でした。

 

私も子どもの頃、台所から何かいい匂いがしたり、母が何か作業をしていると、「今日のご飯は何かな?」「何してるのかな?」「ご飯作るの手伝おうかな〜」など考えながら、遊びの手を止めて台所に行ったものです。台所ってお母さんもいるしいい匂いはするし、なんか子どもながらに安心する場所だったな〜って思うんですよね。アフターの低学年の子ども達もそんな気持ちを抱きながら、キッチンにいる私たち大人との会話を楽しんでいるのかな・・・と感じたりもします。

 

現在アフタースクールには約40名の児童が在籍しています。「家にいるような・・・」「家庭的な雰囲気を・・・」というものを目指してはいるのですが、40名の児童が過ごすためには、家で過ごすような・・・とはいかず、いろいろと決まりもあります。そんな中でも、学校から帰ってきた疲れを少しでもリセットして、安心して過ごせるよう、子ども達が好きそうな物を作ったり、キッチンで一緒に軽食を作りながら会話を楽しんだりなど、出来る部分で家にいるような安心感を子ども達と感じられたらと思っています。

 

今日から6月。今日は子ども達が帰ってきたら、梅雨時期の過ごし方・5月の振り返り(困ったこと、嫌だったこと、楽しかった遊びなど)を話し合おうと思います。

(文責:中江)